2021/02/09 00:16

ある時、「牡蠣」のピアスを作ってみました。略して「牡蠣ピー」です。




外売りの行商に出るとたくさんの「おいしいせかい」を知らない人たちに出会います。
ほとんどの人はチラッと見るだけですが、時々足を止めて見てくれる人がいます。
その中に、じっと見つめて目が離せなくなる方が何人かいらっしゃいます。
動けなくなった様子を「きたきた!」と思ってしばらく影から見ていますが、ふと我に返って歩き出してしまうとそれっきりで終わってしまうような切ない関係なので、うれしさで笑い出しそうなのを抑えてそっと声をかけます。
話をすると、気に入ったので買おうと決めてはいるんだけどどれを買ったら良いのか迷っていると言います。
なにしろ外売りの時は50種類ぐらいのワッペンをずらっと並べているのでしかたありません。



お客様がすでに手に何かワッペンを持っていたらそのワッペンの話をしますし、何も持っていなかったら「何か気になるやつがありましたか?」とお聞きします。
この時、実は作り手とお客との大切な尊い意思の交流が行われるのです!
お客様はボクのワッペンを見て驚き、感心し、少しクスッと笑います。
逆にボクはお客様が手に取ったモノを見て「それ選ぶんだ?!」と驚かされ、さらに「すごくかわいい!」と褒められて混乱します。

全部かわいくて素敵だなと思って作っていますが、「さすがにこれは売れないよね。。。」とか思って作っているものもあります。
ボクが驚かされたのは、その「さすがに。。。」の中でふんぞり返っているはずだった「牡蠣」が「かわいい!」と言って買われていくのを見た時でした。
「牡蠣」ちゃんはとても人気があるんです、特に女性に。
隣で出店していたキュートなレディース作家さんも「牡蠣」がかわいい!と絶賛してくれて「これはピアスにした方が良い!」と右手をぶんぶん振り回しながら言うのでボクもやる気になって作ったのが「牡蠣ピー」という訳です。

渾身の出来で行商に持っていきました。
でもみんな見てはくれるんだけど手に取ってくれる人はいませんでした。
原因の一つはわかります。
ボクがピアスをつけないのでこのピアスの良さを心からお勧めすることができないのです。
家に持ち帰って、萎んだ気持ちに折り合いをつけるために、しばらく時間を置いて機が熟したらもう一度チャレンジしようと思いました。

と、一度整理ボックスの奥にしまわれた「牡蠣ピー」ちゃんですが、このほどあるお客様から「牡蠣ピー」は再販しないのかこの野郎!とうれしい連絡があり、そそくさと取り出してみたらとってもかわいいじゃないですか!
ということでネットでの販売を始めようという思いに至ったいきさつのご説明でありました。
ありがとう!牡蠣大好きさん!

前置きが長かったですね。

これからSHOPにUPしますのでご興味のある方はぜひご覧になってください。
そして行商の端っこに「牡蠣ピー」ちゃんを見つけたら「めっちゃかわいい!」って影に隠れているボクに言ってください。
世界を救うのはあなたです。