2020/05/28 01:09

さてさて、なんやかんやでデザインが完成したら、今度は実際にみなさんにお売りできるようにワッペンを作っていきます。
それでは初期の傑作、「鮭の切り身」を使ってどうやってできていくのかご紹介しましょう。
刺繍は1枚のシートに20〜30の同じデザインを並べたデータを作成し、いっぺんで縫います。
「鮭の切り身」ワッペンの場合は33枚分並びました。



縫い付けるシートは「ヒートエンプシート」という不織布です。
このシートは熱で溶けるので、最後に一つずつ切り離すときにヒートカットできるのです。
刺繍枠にシートをセットします。



「鮭の切り身」はオレンジ・グレー・白の3色の糸を使います。
オレンジ(身の部分)→白(皮)→グレー(皮の模様)→白(身の筋)の順番に縫っていきます。
ここでは重なりの関係で一度縫った「白」が最後にもう一度登場します。
もっと重なりが複雑なモノになると何度も何度も繰り返し糸を交換していくことになります。



ミシンの表示では糸替え4回、刺繍時間103分、針数は33,264!と表示されています。
糸の色を交換したり、絡まった糸をほぐしたり、途中で糸切れを起こしたら通し直したりしなければならないので、実際の刺繍時間はもっと長くなります。糸をセットしてスタートボタンを押せばその糸色が縫い終わるまでミシンがやってくれることになっているので、その場を離れて戻ってくると、縫い始めてすぐに糸切れを起こして止まっていたりして...。 なかなか予定通りの刺繍時間では終わってくれないのです。



さて刺繍枠と刺繍糸がセットできたらいよいよ縫い始めますよ!
次回に続く